INTERVIEW
「パラダイムシフトを起こさなければいけない」という危機感
ーこれまで、人材育成、組織づくりでどのような課題がありましたか?
有松様
次の100年を迎えるためには「7つの習慣®」研修が必要
ー「7つの習慣®」オンライン研修の導入の決め手はなんでしたか?
有松様
本格的な研修を受ける前に、半日コースのセミナーで体験をさせていただきました。そのときに講師の方が、「パラダイムシフト」についてすごく分かりやすく説明してくださって、「これだ!」と思いましたね。
「パラダイムシフト」以外にも、自分が発信していくことで周りに影響を及ぼしている、全て自分に返ってくるというところを、社員や組織に文化として根付かせたいと思ったのです。パラダイムシフトすることによって、自分も変わってそれを発信していくと、どんどん輪が広がっていく、まさに今のうちに必要なことだなと。
新たな100年を迎えるにあたって、いろんなことを「こうしろ、ああしろ」と指示するよりは、新しいやり方や目指している方向が「その方向に行かなきゃいけないんだな」ということを本人に気付いてもらいたい。でも、こういうのは、本人が考えて、気付いてもらわないと変わらないと思っていたので、まさに、「パラダイムシフト」することの重要さに気づいてもらうための「研修」だと確信しましたね。
たまたまコロナ禍で、リアルの集合研修ではなく、オンライン開催になって参加しましたが、私にとってみれば、「7つの習慣®」オンライン研修に出会ったというのは、素晴らしいタイミングでした!
意識の変化は「じわじわと」。でも着実に。
ー「7つの習慣®」オンライン研修を受講後、社員の方の声をお聞かせください。
有松様
まずみんな言うのは「2日間で大変だと思っていたけど、時間はあっという間に経った」という声が一つ多いですね。あとは、ブレークアウトセッションで、社外の方といろんな意見交換できるところは、非常に刺激的でよかったと皆さん言います。
Webの2日間も苦にならなかったというのと、プログラムがよかったというのと、「傾聴」や「パラダイムシフト」の話、「一時停止ボタン」。あれはかなり流行りますね。社内でもみんな言っています。
新しい期を迎えるにあたって、7月ぐらいから今期の方針、前期の7月から9月末にかけて、今期の方針がいろいろ出るわけです。いろんなセクションの人と意見交換しながら組み立てていくんだけど、仕掛けてきたからそうなったのか「7つの習慣®」研修を受けたからそうなったのかはよく分からないですが、昨年同じことをやったときに比べて、参画意識は各段に上がっています。
以前よりも、新しいことを、皆さん考えてくれるようになりました。新しい提案も、積極的に自分のものにしようと取り組む姿勢は見えてきているので、両方の相乗効果でしょうけど。
うちの役員とも話していたんだけど、ちょうど今期の方針を立てるタイミングで、中心人物に「7つの習慣®」オンライン研修の受講を完了させて、それを生かしていくのは面白いよなという話をしていたんですよ。若干、「7つの習慣®」研修の受講がちょっと遅れちゃったんだけど、随所でその影響は出ていると思います。
上司から言われたわけでもないけど、「7つの習慣®」研修で聞くと「こういうことかな」と自分で考えてられるようになりますね。仕事の中で「こういうときには、こういうふうに考えて、こういうふうに行動すべきなのだろうな、こういう発想が必要なのだろうな」という意識変化は、じわじわと出てきていると思います。
100年後に自分たちの会社は、どこを目指していけばいいのか
ー「7つの習慣®」オンライン研修を受講後、組織の変化をお聞かせください。
有松様
「7つの習慣®」オンライン研修のフルコースを私も受けて、第2の習慣の「終わりを思い描く」がためになりました。個人であれば「人生の終わり=死ぬとき」にどうありたいかを思い描くことでしたが、事業に置き換えれば、目指す未来を描くこと。会社としての事業計画、例えば5カ年計画、10カ年計画、最終的にどのように社会に存在しつづけるのか、という成長のターゲット、企業としての目標、そういうものをきっちり打ち出すことに近いなと、強く感じたんですね。
今回100周年迎えて、100年後に自分たちの会社はどこにいればいいんだ、どこを目指していけばいいんだというのを、まず出していかないと、そこに向かっていく変化も生まれない。そう「7つの習慣」の中であらためて気付かされました。
今、一生懸命「企業として、次の100年はどうあるべきか」というのを、どんどん打ち出そうとしているわけです。この研修を受ける中で、自分たちの目標、ターゲット、ゴールを明確に持って、そこに向かっていくんだよというものを出すことは、非常に重要なんだと感じました。
もう1つは第3の習慣の「最優先事項を優先する」。第2の領域は、重要だけど緊急じゃない事柄。それは「なるほどな、確かにそうなんだけど…」と、置いて行かれることだなと。中期経営計画を組むときに、組織の中の「第2領域」の重要性にみんな気がつく。
企業体質とか人を活性化していかなくてはいけない中で、人材育成や教育もそうだし、企業文化を作るところが実は一番やっていかなきゃいけない。わかってはいるんですけど、なんとなくみんなOJTで逃げちゃうみたいな感じになる。
それも「第3の習慣」で気付かされましたね「そうだよな」と思って。それをスケジュールの中に落とし込んで、考える時間を取るということが、非常に重要なんだなと。
「7つの習慣®」オンライン研修を受講しながら、そうしようと思ってそうなったわけじゃなくて、たまたま絡めながら考えていくと、そういうことになるのだなと。「7つの習慣®」オンライン研修を受けて、逆に中期経営計画でやっていたことは、このことをしゃべっていたんだ、これが重要だということを言っていたんだと、しっくりきましたね。
中期経営計画をつくっていると、やっぱり実務の経営のレベルで話すことが増え、いつの間にかどうしても事業側に行ってしまいます。「経営基盤」「経営体質」とか「従業員」とか、組織にとって第2領域の部分が置いていかれることになって、ディスカッションの時間もそこが短くなっちゃう。
なんとなく組織としてやらなきゃいけないと思っていたことを「7つの習慣®」で整理できたというか。 経営基盤、企業体質の強化と、既存事業と成長事業という3本柱にして、経営陣で具体的にどうしていくかと議論するようになってきましたね。良い変化だと思います。
「実は、できていなかった」ということを研修で実感。
ー有松様ご自身の変化をお聞かせください。
有松様
私自身は「傾聴」というのは、自分の中でやろうとしてきていたことなんですね。「7つの習慣®」オンライン研修を受けて、できてなかったということを痛感しました。それを今、意識してやろうとしているので、それは自分の中では大きな変化です。
もう一つパラダイムシフトは、分かっていても、セミナーの中で具体的に「こういうことなんだよ」というのを、現実として感じることができたので、それも非常に大きいです。
長い間うちの会社で働いている人たちの既存概念に対して、新しいやり方、新しい方法を説明して分からないのは「なんで分からないんだよ?」と思っていた。手取り足取り、1から100まで説明しているのに「なんで分からないの?」と思っていたけど、「そうじゃないんだな」と思いました。
ちょっと仕掛けが違ったなと。相手がどう考えるかを考えながら、自分が導いてやらないと、相手は当然分からないんだなと。立っている位置が違うので。というのは痛感しました。それは私の変化ですね。
オンライン研修というのは、受けてみないと分からない新しい感覚。
ー「7つの習慣®」オンライン研修を導入しようか迷っている方に、ひとことお願いします。
有松様
物理的な話からすると「7つの習慣®」オンライン研修だと、セミナー会場に行かなくていいので、それは非常に利便性を感じました。うちの人間でもいろんな人間に受けさせるときに「オンラインだから」と言うと「会社で受けられるんだ」とか、在宅ワークをやっていると「家でも大丈夫なんだね」というので、参加のハードルがグッと下がりました。
あとオンラインでいいなと思ったのは、ブレークアウトセッションという分科会で、小グループの中で意見交換をするというもの。実際に会場で会って、ああいう場で、周りの人がいてその中で1対1で話すんじゃなくて、完璧にオンラインの中で1対1になると、リアルの会場でやるより、逆に距離感がすごく近い気がしますね。
オンラインで1対1になると、最初少し恥ずかしいんですよね。でも、それが慣れてくると、リアルの集合研修においてグループでやるよりも、なんとなく本音みたいなものも聞けたり、その人の性格も分かったりするので、そういう意味でブレークアウトセッション、特にマンツーマンは非常に面白いと思う。他には誰も聞いてないわけだから。
あれは受けてみないと分からない感覚ですよね。逆に距離感が縮まって、何回かやっていると、どんどん本音で話ができていくので、リアル研修よりそっちのほうがいいというのは、ありますよね。あと、講師がモニター越しにみんな見ているので、講師とも話しやすいし、講師から見られているという緊張感もある。リアル研修みたいに、人の後ろに隠れたりとかできないし…(笑)発言も、慣れてしまえばWebのほうがしやすいと思います。
新しいものにチャレンジ。そうしないと新しい機会は生まれない。
ー最後に、今後目指す目標とチーム作りについてお聞かせください。
有松様
「自ら変わって、新しいものにチャレンジしましょう。そうしないと新しい機会は生まれないよね。」それが今の活動方針です。中期経営計画をつくり始めて、5年後の姿はこうあるべきものだというのを、具体的に数値であれ、会社の内容であれ、明確に打ち出すということをやり始めています。
中期経営計画を作るときにあらためて気付かされたのは、企業理念、ミッション、ターゲット、そういうものがどういうものであるのかということを、もう一回経営陣振り返ってディスカッションすることによって、新しいミッションができたこと。なおかつその中で、この5カ年は何を目指していくの?いう中で「New Change、New Challenge、New Chance」という3つのキーワードをつくりまして、まず変わろうとしています!
変わるための取り組みがようやく始動しはじめたんですよ。全社的経営効率の向上活動プロジェクトでは、技術製造部門から事務スタッフ側までの一貫した生産性の効率を上げる取り組みを始めていますし、並行して、体質強化とか働きやすい環境づくりとか、女性採用比率を上げるとか、さまざまな環境を整えていくプロジェクトも。
少しずつですけど、こういったプロジェクトをはじめとして、次の100年に向けて、新しい価値観や考え方、捉え方に柔軟な組織、新しいチャレンジをしていける組織を作っていきたいですね!
一言でいうと「パラダイムシフトを起こさなければいけない」という危機感がありました。どういうことかというと、創業100年という伝統の中で、技術力があり、社会的信頼もあって、従来路線の既存概念、歴史に裏打ちされた技術、品質、そういった事業面では非常にレベルが高いところにあります。しかし、非常に安定しているがゆえに、成長を描きづらい、という状況だったのです。
正直、国内電力業界は、頭打ちなんですね。新設の発電所が建たないと、なかなか事業は拡大できないというところに置かれている。次の100年を見据える中で、その課題が具体的に見えてきた。日本の原子力、電力というマーケットは、事業基盤としては非常に強固で、揺るがない。しかし大きな成長は日本では望めない。
つまり「既存のマーケットでこういうプラントができます、それは間違いなくうちに来ます、こういう工事があります、それも来ます。」という他力本願のような状況。そんな状況だったので、自分たちが、自分たちの売り上げと利益をどうやって上げるのか」と、考えるのではなくて、例えば電力会社が、3カ年でこういう工事計画を持っていますと言ったら、それで絵が描けちゃうのです。
自社の働きかけで売上数値を作っていくという構造ではなく、発注元のマーケット自体の業績が会社の業績に直結するような、そんな状態だったんですね。しかも特定のマーケットが盤石なので、頼り切ってしまう。そうすると、自分たちが「こういう品物を、こうやって売っていこう」「こういうお客さんに新たに入っていこう」とか、既存のものに上乗せで新しいことをやっていこうという発想が全く出てこなくなっちゃう。
そういう状態で経営目標って何なの?と言っても「経営目標は既存のお客さんから出てくる工事を、間違いなく品質も良く、納期も間に合わせて、ちゃんと納めて評価を得る、以上。」みたいな感じになる。つまり、経営目標が「ちゃんとやる」ということになるので、結果として「変化しない」という選択をしていきます。伝統も技術も信頼もあるから、変わる必要がないし「変わる」ということに対する抵抗感が非常に強くなっていたと思いますね。
「スキル、経験、従来これで間違いないから、それをやるのが正しいんだ」という考えを変えるというのは、非常に難しい。それを変えていくのには、パラダイムシフトを起こさなければいけない。自分の見方と違う側面で見たときの見方は違うんだということを理解してもらわなくてはならない。そして、従来考えていた価値観と、新しい見方をすると、全然違う価値観や見方が生まれる、ということに気付いてもらいたいというのが、一番大きかったです。