「内定者研修って意味あるんですか?」
これは、今年入社したうちの新入社員が、内定者時代に言ってきた質問です。
このような質問を新入社員から聞かれたら…
皆さんならどう思われますか?
「やる気がない」?
「素直じゃないな」?
「嫌なのかな」…?
実は、そういう気持ちで言っているわけではないんですよね。
正解を聞きに来る?
自分たちが新入社員や若手のころにはありえない質問だなって、思われた方が多いのではないでしょうか。(私もその一人です)
というのも…仕事なんだからやる、上司が言うからやる、とすぐに受け入れていた世代だったから、だと思うのです。(こちらも、私もそうでした)
当時は、上司は背中を見せればいい、仕事なんだからといえば責任もってやるという価値観が当たり前でした。
そんな中、「間違いたくない」とか「失敗したくない」から正解を聞きに来るという特徴。
そんなZ世代に、自分たちが受けてきた
・背中を見て育て
・仕事は見て盗め
・とりあえず試す
といった指導アプローチをそのまま行っても…合わないのも無理ありません。
実際に、そういったギャップに課題感を持っている経営層や管理職の方も多いのではないでしょうか。
Win-Winの実行協定
ともすると、上の世代からは「正解を聞きに来るなんて、自分で考えられないのか」と、自立度が低いように感じるかもしれません。
でも実は、Z世代の特徴を見ると、自立度や自立性はめちゃくちゃ高いようです。
そして、将来のことを考えて、自分に投資していくという特徴はこれまでの世代より強い様子。
では、そんなZ世代にどういった指導をすれば、きちんと動いてくれるのか…
それは、きちんと事前に目的や目標、リソースや評価基準を与えてあげること。
まさに『7つの習慣(R)』でいうところのWin-Winの実行協定の5つの要素をしっかりと伝え、腹落ちさせるということです。
<Win-Winの実行協定の5つの要素>
・望む成果:いつまでに、何を達成する?
・ガイドライン:望む結果を達成するときに守るべき基準
・リソース:望む結果を達成するために使える人員、資金、技術、組織のサポート
・アカウンタビリティ(報告義務):評価基準・時期
・評価の結果:達成度合い、貢献度合い、評価の結果としてどうなるのか
この5つの要素が満たされれば、自立度が高いZ世代の新入社員たちと実行協定が結べる。
つまり、しっかりと動いてくれるのです。
事実、私たちの新入社員研修も、この内容がしっかりと入った時点で、動きが変わり、メキメキと成長し始めました。
Z世代育成の方程式
目的を合意して、達成してほしいレベルや基準、使えるリソースやルール、評価の基準を明確にしてあげる。
そして、ダメ出しではなく勇気づけのアプローチで背中を押す。
これが、Z世代を育成する方程式の一つなのではないでしょうか。
少し面倒くさいと感じるかもしれませんが…
これまでの指導方法が見直されるべき時なのかもしれませんし、自分自身もパラダイムシフトが必要なのかもしれません。
ちなみに、冒頭の内定者の質問も、目的を聞いているわけです。
(聞き方は間違えてしまっていますが…)
あの質問も、こちらから「望む結果」について伝えられていないか、伝えていても合意できていなかったから、でてきたことかもしれません。
こちらが何を期待し、どうしていってほしいのか。
まずは、指導する我々がそれを明確にして、与えられるものをしっかりと伝えられたら、新入社員とWin-Winの関係が築けるのではないでしょうか。
ぜひ、ヒントの一つになれば嬉しいです!
松村でした。